文化と心は密接に関係している

  • 文化と心の関係
  • 同じところと違うところ

文化と心の関係

古代ギリシャのヘロドトスは,ペロポネソス戦争の背景には

ギリシャとペルシャの文化の違いがあると論じています。

このように人類は,古くから国や地域が違うと人々の考え方や価値観が異なることを

認識していました。

 

文化には大きく分けて,物質文化と精神文化があります。

物質文化(建築,芸術,食べ物など)

精神文化(価値観,常識,態度など)

 

文化心理学者のトリアンディスはこのような言葉を残しています。

「文化は,過去において人類の生存の可能性を高め,人を充足させ,お互いに理解しあえるように

共有されてきたものである」

 

長い歴史の中で,固有の地形,気候に合わせて,独自の文化が人の手によって

育まれてきたのです。決してどの文化がどの文化より優れているといったことはないのです。

現在の文化はその土地における最先端の生存戦略であるわけです。

 

そして,幼少期から刷り込まれていく文化は,無意識となって私たちの

考え方やふるまい方に影響を及ぼします。

 

ところ変われば,それぞれの生存戦略が異なるがために,こうした考え方や行動様式も変わり,

異文化出身同士の間でお互いを理解できないといったことが生じてしまうのです。

 

 

同じところと違うところ

主な西洋・東洋の違い

 

文化的距離が最大化される西洋と東洋の違いを右の表にまとめました。

個人主義vs集団主義

個人主義:個人の利益重視。自分の価値は自分で決める。

集団主義:自分が所属する利益重視。自分の価値は所属する集団で決まる。

人と人との調和を重んじる。

 

低コンテクストvs高コンテクスト

低コンテクスト:言語で明確に正確に伝えようとする。

高コンテクスト:意味は文脈の中に埋め込まれている。

 

分析的思考/中心オブジェクト指向vs包括的/背景・文脈思考

 
分析的・中心オブジェクト指向:中心的なものをまず追求しようとする
 
背景・文脈思考:事象を取り巻く多重の文脈や枠組みをまずとらえようとする
 

不変性の重視vs変化をみとめる

不変性の重視:状況は比較的変わりにくいと思う (例:好景気は20年続くだろう)

変化を認める:状況は常々変わっていると思う。山あり谷あり。楽ありゃ苦あり。 

(例:好景気だ,これから不況になるだろうから準備をしておこう 

→アジアが経済に強い要因の一つとされている)

 

単一の因果関係vs相互影響的関係

単一の因果関係:原因があり結果がある。真実は一つ。

相互影響的関係: 原因→結果という単純な構造は考えず,結果が原因になりうる。

生じた事象の背景を探る(風が吹けば桶屋が儲かる) 

 

このように,文化によって思考スタイルは異なります。

一方で下の図を見てください。

芯の部分は共通しているのです。

 

したがって,一見違うように見えていても,根本のところでは同じ

意図であることが多々あります。

 

例えば,人と話しをする時のことを考えてみましょう。

欧米では,「話をしている人の目をじっと見る」

東洋では,「じろじろと見つめないようにする」

という常識があります(西洋化とともに変わってきてはいますが)。

そのため,お互いのことを「失礼だ」と思ってしまうかもしれません。

しかし,根底には「人には礼儀正しく」という同じ目的があるのです。

その表現の仕方が異なっているだけです。

 

したがって,異文化の人と接するときは,宇宙人のようだと恐れる必要はありません。同じ人間なのですから。

 

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